ソニーの有機ELテレビ同様注目されていた、国内初公開のパナソニックの4K有機ELテレビ。今日はその感想を少し書こうかと思います。今年のパナソニックブースは4Kに絞り4Kワールドを展開していました。
着実に進化する印刷方式
今年1月のCESでお披露目されたオール印刷方式のパナソニック4K有機ELテレビですが、この時のディスプレイの大きさは56型でした。
これは2012年のCESで披露された韓国サムスンとLGの55型フルHD有機ELに大きさの点で対抗してお披露目するためだったからです。またソニーとパナソニックは共同で有機ELを開発していて、両者ともガラス基板は台湾AUO製で、TFTはソニー製を積んでいたと言う理由もあります。
今回パナソニックが55型と少し小さくなった理由は、パナソニックの姫路工場で8.5世代マザーガラスから6枚切り出したからだそうです。そして今回展示されていた有機ELテレビはCESの時からユニフォーミティが向上し色ムラが大幅に改善されていて発色が良くなっているとの事でした。
私が見た感想としては、ソニーの有機ELと比べると輝度の面では確かに劣っていて映像が全体的に薄く感じましたが、有機ELの特徴であるコントラストは素晴らしく、発色も良好だと思いました。特に青や赤の発色がCESの時はよくなかったそうですが、特に不自然に感じる映像ではありませんでした。あとデモ映像が一通り終わると実機が動き横になるのですが、とても薄かったです。
パナソニックの印刷方式が上手くいけば、蒸着方式の様な大型真空プロセスや蒸着で塗り分ける時の原料のムダもなくなり、コスト面では大きなメリットがあるのでぜひパナソニックにはがんばって欲しいですね。
4K VIERAは想像以上の完成度
その他にも4K製品が展示されていましたが、その中でもIFAで発表された4K VIERA「TH-L65WT600」は絶品でしたね。技術別に複数展示されていましたが先日発表されたBDレコーダーDIGAプレミアムモデル「BZT9600」で再生されていた「009 RE:CYBORG」の映像には見入ってしまいました。アニメをこんな高画質に見る事ができるのかと少し感動しました。
「BZT9600」はマスタービデオコーディング(MGVC)に対応していて、最大36bitで映像が出力されます「WT600」もHDMI2.0に対応と現在見れる映像としては最高のもので、なんとも贅沢な組み合わせでした。
あとHDMI2.0で4K 60pの再生に対応しましたが、その比較デモ映像を見て全く別物の映像に感じました。30pから60pにアップしただけで大幅に解像度が代わる事を今回のデモで体験する事ができました。
業務用で展開予定の4Kタブレットも展示されていましたが、デジタルミュージアムと題して展示されてた油絵があまりにも緻密で一瞬本物かと見間違えるほどの表示性能でした。これにはかなり驚きましたね。
今回各社とも4Kを前面に押し出した展示となっていましたが、やはりソニーとパナソニックの有機ELテレビには期待が大きいですね。ここ数年CEATECはの陰が薄くなっていて、ソニーもブースなどが縮小されていて寂しいものがありましたが、今回はソニーとパナソニックの有機ELテレビを実際に見る事ができて、十分見に行った価値があったと思うCEATECでした。
おそらく来年のCESで大きな動きがあると思いますので、ソニーとパナソニックには期待したいと思います。