しかし、今年CEATECで発表されたコンテンツ保護技術の「SeeQVault」(シーキューボルト)によりそれらが解消されようとしています。その対応製品第1弾としてソニーからポータブルワイヤレスサーバー「WG-C20」が10月に発売されました。この製品によりようやく合法的な手段でのフルHDの転送が可能となりました。今日はその「WG-C20」をしばらく使用する事が出来たので簡単にレビューをお届けします。
付属品はUSBケーブルぐらいで、あとはスタートガイドと製品登録の用紙が入っています。
外観はXperia Z1とほぼ同じデザインで、Xperia ULの様なマットな仕上がりになっていて手触りはなかなか良いです。
右横の部分にSDカードを挿入する部分があります。
そして上側に、USBの差込口があります。
製造は中国ですね。
ソニーのトレンドのNFCにも対応しているので、Xperiaとのペアリングがワンタッチで出来ます。
ペアリングをする前に「SeeQVault」対応のSDカードを用意します。実はXperia Z1と同時にこの「WG-C20」を購入したのですが、この対応のSDカードを買うのを忘れたためしばらく眠っていました。現在のところ16GBと32GBの容量のSDカードが販売されています。写真はソニーから出ている「SR-32SA」になります。
ソニーのSeeQ Vault対応micro SDカード「SR-32SA」 |
最初Xperia Z1とNFCでペアリングをするとGoogle Playに飛ばされ、「File Manager」をダウンロード画面にいきます。一応「File Manager」もダウンロードしますが、基本「おでかけ転送for WG series」でも再生のステップが可能なので私はほぼこのアプリしか使用していません。先にダウンロードしていた方が良さそうですね。
nasneの中から転送したい番組を選びます。
選択をすると下のような画面が出てきて画質を設定します。画質は「標準画質(AVC)」と「HD画質(AVC)」の2種類があり、放送波の解像度で転送したい場合は「HD画質(AVC)」を選びます。
OKをタップすると、転送確認の画面だ出てくるので「転送実行」をタップして下さい。すると転送が開始されます。
矢印のタブをタップすると転送の進捗状況が分かります。(写真では不明と書かれていますが、通常転送された番組名が表記されています。SDカードを抜き差しするとなぜか不明と表記されます。)
転送時間は私のネットワーク環境ですと、30分のアニメで約15分、ドラマですとその倍の約30分かかりました。nasneの3倍モードの容量が30分ですと1.0GB〜1.4GBあるのでそれぐらいかかるのも当然だと言えますね。
転送された映像は「DTCP-IP」対応のアプリでしか再生出来ません。わたしの場合Xperiaの中に既に入っている純正の「ムービー」アプリが自動的に再生してくれます。その他のアプリとして「Twonky Beam」でも再生は可能です。しかしシームレスに再生するとなるとやはり純正のアプリの方が良さそうですね。
実際の転送され映像をチェックすると情報量が多く、通常のおでかけ転送とは比べ物にならない程の密度の高い映像で、ジャギーも無くXperia Z1のフルHDの解像度を余す事無く最大限に活用出来ている素晴らしい映像でした。持ち出して見れる映像がここまで来たかと少し感慨深いものがありましたね。ただやはり転送ビットレートが多いのとネットワーク環境に依存しているので、たまに動画の読み込みに時間がかかったり、早送り、巻き戻しにタイムラグがあるので、次期製品はぜひXperia自体が「SeeQVault」に対応して使い勝手をもっとよくして欲しいです。
あと試しに画面をキャプチャしてみましたが、保存された写真は真っ黒でキャプチャは無理でしたね。そこはさすがだなと。
ほそらく来年には「SeeQVault」対応の製品が充実してくると思います。そうなれば現在テレビやBDレコーダーで録画した外付けのHDDとかの移動も容易になってくるでしょう。そうなれば録画した番組を持ち出して観る事が気軽で身近な物となると思います。ぜひメーカー側にも積極的に対応を進めていってほしいですね。